新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた救急蘇生法

令和2年7月

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、いざという時に、救急蘇生法を実施する一般の方が感染しないよう、下記を参考にして行動してください。尚、この資料は厚生労働省の新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた市民による救急蘇生法について(指針)をもとに作成しています。

1 基本的な考え方

 胸骨圧迫のみの場合を含め、心肺蘇生はエアロゾル(ウイルスなどを含む微粒子が浮遊した空気)を発生させる可能性があるため、新型コロナウイルス感染症が流行している状況においては、すべての心停止傷病者に感染の疑いがあるものとして対応してください。

 成人の心停止に対しては、人工呼吸を行わずに胸骨圧迫とAEDによる電気ショックを実施してください。

 子どもの心停止に対しては、講習を受けて人工呼吸の技術を身に付けていて、人工呼吸を行う意思がある場合には、人工呼吸も実施してください。このとき、感染予防具があれば積極的に活用してください。(フェイスシールドやキューマスクなど)※子どもの心停止は、窒息や溺水などが原因となることが多く、人工呼吸の必要性が比較的高いためです。

2 救急蘇生法の具体的手順

 新型コロナウイルス感染症の疑いがある傷病者への救急蘇生法は次のとおりです。

処置の前に・・・
・マスクがある人は着用してください。
エアロゾル暴露防止のため、マスク、ハンカチ、ガーゼ等で口、鼻を覆ってください。
・室内の場合は部屋を換気してください。
・近くに手袋やビニール袋があれば使用し、できるだけ倒れている人に直接触れないようにしてください。(出血している場合も同様です。)
※暴露とは・・・ウイルスなどを含む微粒子が浮遊した空気を直接浴びてしまうこと。

①安全の確認
 周囲の安全を確認し、自らと傷病者の安全を確認することが重要です。

②反応の確認
 呼びかけて反応がなければ心停止の可能性があります。すぐに大声で助けを求め、人を集めてください。

傷病者の顔と救助者の顔が、あまり近づきすぎないように注意してください。
(エアロゾルに暴露しないためです。)

③協力者への依頼
 協力者が助けにきたら、119番通報の依頼と、AEDを持ってきてもらうよう依頼してください。

④呼吸の確認
 普段どおりの呼吸をしているか、傷病者の胸やお腹の上がり下がりを確認します。

傷病者の顔と救助者の顔が、あまり近づきすぎないように注意してください。
(エアロゾルに暴露しないためです。)

⑤胸骨圧迫を行う
 普段どおりの呼吸がない場合は、すぐに胸骨圧迫を開始します。

胸骨圧迫を始める前に、ハンカチやタオルなどがあれば傷病者の鼻と口に被せてください。マスクや衣服でも大丈夫です。
(エアロゾルの飛散を防ぐためです。)

⑥胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の組み合わせ
 成人に対しては、救助者が講習を受けて人工呼吸の技術を身につけていて、人工呼吸を行う意思がある場合でも、人工呼吸は実施せずに胸骨圧迫だけを続けてください。

⑦AEDの使用と胸骨圧迫の継続
 AEDが届いたら音声メッセージに従って操作します。(AEDの電源は、ふたを開けると自動的に電源が入るものや、電源ボタンを押すものがあります。)AEDの指示に従って必要があれば電気ショックを行い、救急隊が到着するまでか、傷病者に普段どおりの呼吸や目的のあるしぐさが出現するまで胸骨圧迫を続けてください。

救急蘇生法の実施後は・・・
 救急隊に引き継いだ後は、速やかに石鹸と流水で手と顔を十分に洗い、うがいを実施してください。(手指消毒に消毒用エタノールがあれば併せて使用してください。傷病者の鼻と口に被せたハンカチやタオルなどは、直接触れないようにして廃棄してください。
 新型コロナウイルスが蔓延する中、善意で実施していただく救急蘇生法での感染が起こらないように、上記内容をご確認していただき、感染対策をしっかり確保したうえでの救急蘇生法を実施していただくようお願いいたします。

峡南消防本部からお知らせ

 新型コロナウイルス感染症蔓延防止対策として、例年実施しております各種救命講習等は中止させていただいております。実施について再開の予定が立ちましたらホームページ等において発信させていただきます。住民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
 総務省消防庁ではオンライン上で心肺蘇生法が学べる教材(e‐ラーニング)を用意しています。興味のある方は、下記にアクセスしてみてください。
 一般市民向け応急手当WEB講習(外部サイト)
※受講料に関しては一切掛かりませんが、インターネット等を通じて講習を実施しますので、受講に掛かる各通信料等は、自己負担となります。



お問い合わせ先
峡南広域行政組合消防本部
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山梨県西八代郡市川三郷町下大鳥居27番地
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